いーしー部!さんぷる!

「しーちゃん!しーちゃん!」 パステルピンクの髪を揺らし、元気に駆け寄ってくる。彼女は石浦いおり。 「どうしたの、いーちゃん」 彼女は椎木しいな。いおりの幼馴染である。 「としょかんで、すごい本を見つけたの!しーちゃん、一緒に見よ!」 いおりは大きなリュックサックから本を取り出して開く。しいなはその本をのぞき込む。 「これは、食べ物が載ってる本?」 「そうなの!これを見てほしいの!」 いおりは本の1ページを指さす。 「すずめのおすし?」 「そうなの。すずめさんみたいな形だから、そういう名前なんだって」 「へぇ。いーちゃんはいつも面白いことを見つけてくるね」 「えへへっ」 「……そうだ」 しいなはアイデアを思いついた。 「一緒にすずめのおすしを食べに行かない?」 「食べてみたい!どんな味なのかなぁ~」 いおりは目を輝かせている。 「決まりなの!一緒にすずめのおすしを食べにいくの!」 「どこで食べられる?」 「えっと、ここなの」 いおりは本を指さす。 「結構遠いね」 「あっ、ほんとなの……」 「大丈夫。私といーちゃんならたどり着けるよ」 こうしていおりとしいなはすずめのおすしを求めて旅に出た。 時には森を越え……。 「クマさんなの!」 「私が守るよ!」 時には海を越え……。 「丸太、集めたの!」 「これでいかだを作ろう」 そうして、2人はすずめのおすしのもとへたどり着いた。 「こ、これが……!」 「すずめのおすし、だね」 「しーちゃん、一緒に食べよっ!!」 「うん」 2人はすずめのおすしをほおばる。 「ん~、美味しいの!」 「そうだね。いーちゃんが教えてくれなかったら、この味を知ることはなかった」 「しーちゃんがここまで連れてきてくれたおかげなの!」 2人の間に、楽しい思い出がまた1つできたのであった。